ウイルス性胃腸炎について
主な原因
主な症状 | 嘔吐 | 下痢 持続期間 | 発熱 | 潜伏期間 |
ロタウイルス | +++ | +++ 5~7日 | + | 2~4日 |
アデノウイルス | + | +++ 5~7日 | + | 7日位 |
ノロウイルス(41型) | +++ | + 0~5日 | -~+ | 12~48時間 |
サポウイルス | ++ | + 0~3日 | -~+ | 1~2日 |
アストロウイルス | ± | + 2~4日 | ± | 1~2日 |
それぞれ亜型がある上に、免疫は一生は続かないので、同じウイルスの胃腸炎に何回でもかかります。
糞便中、嘔吐物中に大量のウイルスがいて、ごく少量のウイルスでも感染します。
症状があるうちは伝染性が強く、症状消失後も数日は糞便中にウイルスは居続けます。
ノロウイルスは食中毒の約50%の原因です。ワクチン実用化後、ロタウイルス感染症は激減した。
予防には手洗いが重要で、消毒にアルコールは無効である。酸性に作られたアルコール消毒液は有効で、塩素系消毒剤がより有効である。
病因診断
ロタ、アデノ、ノロウイルスは糞便中の迅速抗原検出キットがある。
治療
- 嘔吐のひどい初期の6~12時間位は、(座薬の吐き気止めを使用30分後頃に、)1時間に100ml以内の経口補液剤を5分毎に少量(スプーンやスポイトなどで1回5ml位づつ)与え始めます(あまりひどくなけれは1回10~30mlを)。
その後の2時間位は、徐々に増量して1回50ml位でも嘔吐がなく、他のものを欲しがるようなら、母乳、ミルク、果汁、スープを少量から開始する。
嘔吐がきわめて頻回で1~2日以上長引く;尿が1日1~2回しか出ないなど脱水症の場合、外来または入院で点滴を行うことがあります。当院で点滴はできます。 - 飲み物を嘔吐しなくなったら、消化しにくい食品以外は何を与えてもよい。母乳はそのまま、ミルクも希釈しなくてよい。ただ、徐々に増量して下さい。
- 経口補液剤には各種スポーツドリンクでよいが、ブドウ糖を含みNa濃度の高いものがよい。アクアライトORSかオーエスワンなどがよい。薄めないでそのまま与える。
これらを好まない子には、野菜スープ、チキンス-プ、2~3倍希釈の味噌汁上澄み、塩を加えた重湯などを与える。既製品の20~30%ジュースでもよいが100%ジュース、炭酸飲料、甘いお茶はさける。ミネラル麦茶は薄すぎます(Na 1, K 1)。